交通事故後遺障害等級の認定ポイント
2026/09/13
交通事故にあった際、慰謝料などの損害賠償請求や示談交渉など、交通事故の被害者の方が行なわなければいけないことは様々あります。
その中で、治療を受けたにも関わらず、痛みや機能の制限等の後遺障害が残ってしまった場合に重要になるのが「後遺障害等級認定」です。
本記事では、弁護士が交通事故後の後遺障害等級認定について端的に解説します。後遺障害案件の経験に基づいた具体的な流れや注意点を知ることで、正当な補償獲得や有利な示談交渉に前向きな一歩を踏み出す手助けとなるはずです。
目次
後遺障害と補償
交通事故の後遺障害について
交通事故による後遺障害は、被害者の身体や生活に大きな影響を及ぼします。後遺障害とは、治療を続けても完全には回復せず、症状が残ってしまう状態を指します。
後遺障害が残ってしまった場合、後遺障害認定の申請をしましょう。
何故なら、後遺障害が認定されれば後遺障害慰謝料と逸失利益を受け取ることができるため、損害賠償額が大きく変わるからです。
後遺障害には1~14級までの等級があり、認定される後遺障害等級によって、後遺障害慰謝料や逸失利益の金額は大きく変わるため、適切な後遺障害等級に認定されることが大切です。
後遺障害等級認定の流れ
後遺障害等級認定の申請方法には「事前認定」と「被害者請求」の2つがあります。
「事前認定」は、相手の任意保険会社に依頼して申請する方法です。被害者は後遺障害診断書を保険会社に提出するだけで、その後の手続きは加害者側の保険会社が行います。手続きの負担は少ないものの、どのような資料が提出されているか被害者側で把握できず、有利な資料の追加が困難というデメリットがあります。
「被害者請求」は、被害者自身が直接、相手方の自賠責保険会社に申請する方法です。手続きには手間がかかりますが、提出する資料の選択や管理ができ、医師の意見書や追加の検査結果など、認定に有利な資料を添付できるというメリットがあります。
事前認定や被害者請求の結果に納得できない場合には、異議申立が可能です。異議申立ては何度でも可能ですが、同じ資料では結果は変わらないため、新たな医学的証拠や詳細な意見書を添付する必要があります。
適切な後遺障害認定を受けるためのポイント
主治医に怪我の症状を具体的に伝える
後遺障害認定では、症状の一貫性と連続性が重視されます。一貫して同じ症状を訴えている点、治療を継続的に受けている点が重要です。事故後しばらくしてから新たな症状が出現することがありますが、元の症状が残っている場合には、元の症状も残っていることも伝えてください。診察ごとに症状が変わる場合には、信憑性が疑われる可能性があります。
診察の際には、症状の部位、程度、どのようなタイミング・動作で症状が出るかなど、具体的に医師に伝えましょう。
単に「腰が痛い」と伝えるだけではなく「かがむと、腰の左側にズキズキとした痛みが生じ、掃除や立って靴を履くことが困難」といった具体的な説明をすることが重要です。また、可能ならカルテにも詳細を記載してもらうように依頼してください。
通院頻度・受診回数に気を付ける
医師の指示に従って受診をすることが重要です。
なお、むち打ちの場合は週に2回から3回程度の通院が望ましいとされており、多忙で通院回数が少なくなってしまった場合には、後遺障害等級認定でマイナスになってしまいます。
画像検査などの検査を受ける
後遺障害認定では、自覚症状の医学的な証明が求められ、検査結果といった客観的な資料があれば、有利に働きます。
主治医と相談し、レントゲンやCT、MRIなどの画像検査や、スパーリングテストやジャクソンテストなどの神経学的検査を受け、その結果を記録に残すようにしてください。
後遺障害の等級認定の申請
申請に必要な書類
後遺障害等級認定の申請では、
・支払請求書兼支払指図書
・診療報酬明細書
等の書類が必要になります。
詳しくは、加害者が加入している自賠責保険会社に連絡すれば「自賠責保険請求の必要書類の案内(しおり)」がもらえますので、それを見て必要書類を確認してください。
加害者が加入している自賠責保険会社は、交通事故証明書に記載されており、交通事故証明書は自動車安全運転センターに申請すれば取得することができます。

